近年、中東情勢の影響による原材料価格やエネルギー価格の高騰が続き、
多くの中小企業で利益率の低下やコスト増加が課題となっています。
こうした状況を受け、
東京都では「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」を創設しました。
本記事では、助成金の概要や対象者、助成内容、申請時のポイントをわかりやすく解説します。
中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業とは?
東京都および東京都中小企業振興公社(以下、公社)が実施する助成金です。
目的は単なる設備更新ではなく、
・原材料コストの削減
・生産性向上
・歩留まり改善
・価格転嫁への対応
など、東京都内の中小企業等が、中東情勢を契機としたコスト高騰等に対応するための設備投資やシステム導入などを支援する助成事業です。
助成限度額・助成率ともに高いことが特徴です。
原材料価格高騰への対応策として、新たな設備やITシステムの導入を検討している企業にとって活用しやすい制度といえるでしょう。
どんな人が助成対象になる?
以下の全ての項目を満たす中小企業者等が対象です。
1.都内の中小企業者で、大企業が実質的に経営に参画していないこと。
2.本店(実施場所が都内の場合は支店でも可)の登記が都内にあること。
個人事業者の場合は納税地が都内にあること。
3.申請内容が、申請者が所有または賃借する本社・事業所・工場等で取り組まれること。
かつ、機械設置場所が都内及び首都圏(神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、山梨)であること。
ただし、都外に設置する場合は、都内に本店があること。
4.下記のいずれかに該当すること。
・直近決算期の営業利益率が前期より減少している
・次期決算期に営業利益率のさらなる減少が見込まれる
・直近決算期において営業損失を計上している
5.その他、税金等の滞納がないこと、など。
業種に限定はなく、すべての業種が対象になります。
※申請前には必ず最新の募集要項をご確認ください。
どのくらいの助成がある?
本制度の概要は以下のとおりです。
・助成限度額:2,000万円
・助成率:助成対象経費の4/5以内
・助成対象期間:交付決定日から最大1年間
東京都の設備投資系助成金の中でも助成率が高く、大規模な設備導入にも活用できる点が特徴です。
例えば税抜1,500万円の対象経費であれば、条件を満たすことで最大1,200万円の助成を受けられる可能性があります。
助成対象経費は?
本制度では、経営改善につながるさまざまな経費が対象となります。
・原材料・副資材費
・機械装置・工具器具費
・機器・システム改良費
・委託・外注費
・設備等導入費
・システム等導入費
・専門家指導費
・販路開拓経費(上限500万円)
・その他経費(上限100万円)
※「専門家指導費」、「その他経費」の単独申請はできません。
単なる設備更新ではなく、「原材料価格高騰への対応」という目的との関連性が重要になります。
対象となる取組例
次のような事例が対象となります。
・原材料ロスを削減する設備導入
製造工程で発生する廃材や不良品を減らし、原材料使用量を削減する設備導入。
・燃料費削減のための設備改良
既存設備の制御装置を改良し、燃料や電力の消費量を削減する取組。
・在庫管理システムの導入
材料の発注や在庫管理を最適化し、余剰在庫や廃棄ロスを削減するシステム導入。
・容器・資材変更に伴う設備改修
価格高騰した資材から別資材へ変更するための設備改修。
対象「外」となる取組
次のような内容は対象外となります。
・単なる老朽設備の維持更新
・法令対応のためだけの義務的な設備導入
・現事業との関連性が薄い、または全くない取組
・単なる原材料の代替のみの取組
助成対象となるためには、
「原材料価格高騰への対応」や「利益率改善」との関係を事業計画で明確に示すことが重要です。
申請スケジュール
令和8年度第1回募集のスケジュールは以下のとおりです。
申請受付期間:令和 8 年7月17日(金)~ 7月31日(金)
書類審査:令和8年8月~
面接審査:令和8年9月 24 日(木)~10 月 9 日(金)(いずれか1日、1時間程度)
交付決定:令和8年10月下旬予定
※第2回も予定されていますが、現時点では詳細は未定です。
なお、申請には
・GビズID
・必要書類の作成
・電子申請
が必要となります。
締切直前はアクセスが集中する可能性があるため、早めの準備がおすすめです。
※募集期間の詳細は東京都中小企業振興公社の公式ホームページをご確認ください。
採択されるためのポイント
助成金では、設備を購入したいという理由だけでは採択されません。
審査では、次のような点が重視されます。
■原材料価格高騰との関係
なぜ現在の設備では対応できないのか。
■定量的な効果
導入後、
・原材料使用量○%削減
・不良率○%改善
・生産量○%向上
など数値で説明できることが重要です。
■投資効果
導入によって利益率改善につながる根拠を示すことが求められます。
また、本助成金では書類審査通過後、1時間程度の面接審査が行われます。
原則対面形式で、面接への出席は、事業者の代表者、役員・従業員に限り、最大2名までです。
顧問や経営コンサルタント等の同席、代理出席等はできませんので、
申請者自身がしっかりと説明できる必要があります。
申請書類以外の補足資料・サンプル品等の使用も必要最小限の範囲で認められていますので、
しっかりと事前準備をして臨みましょう。
まとめ
「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」は、
原材料価格高騰の影響を受ける東京都内中小企業を対象に、設備投資やシステム導入などを支援する助成制度です。
助成率は助成対象経費の4/5以内、助成上限額は2,000万円と手厚く、
生産性向上やコスト削減に向けた取組を進める企業にとって大きな支援となります。
一方で、申請には事業計画書の作成や導入効果の整理、利益率の改善見込みなどを具体的に示す必要があり、
制度の趣旨に沿った内容で申請書類を作成することが採択への重要なポイントとなります。
設備導入を検討されている企業は、募集期間を確認し、早めに準備を進めることをおすすめします。
助成金申請でお困りの方はBUDDYHOODへご相談ください
助成金は、要件を満たしていても、事業計画書の内容や導入効果の説明が不十分な場合には採択につながらないことがあります。
当社では、これまでさまざまな補助金・助成金申請をサポートしてきた実績をもとに、
お客様の事業内容や設備投資の目的に合わせた申請支援を行っています。
・自社が助成対象になるか確認したい
・対象経費に該当するか相談したい
といったご相談にも対応しています。
制度の内容を踏まえながら、事業の強みや導入効果を分かりやすく整理し、
採択を目指した申請をサポートいたします。
設備投資や経営改善をご検討中の方は、
お問い合わせフォームもしくはお電話で、ぜひお気軽にご相談ください。

