原則、東京都の事業者様が活用できる「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」という助成金があります。
この助成金は、2025年に始まった新しい助成金です。
そのため、
「自社の取り組みが、この助成金の対象になるのか分からない」
「どんなテーマで申請できる制度なのかイメージしづらい」こんなお悩みはないでしょうか。
この助成金は、要件を正しく理解していないと、
最初の「申請テーマの設定」でつまずきやすい助成金です。
そこで本記事では、
どんな場合が対象になるのか、どんな事業テーマが考えられるのかを、
制度の考え方に沿って整理します。
そもそも「事業環境の変化」とは?
本事業でいう「事業環境の変化」とは、
自社の努力だけではコントロールできない外部要因によって、経営に影響が出ている状態を指します。
代表的な例としては、
・新型コロナウイルス感染症(ポストコロナ含む)の影響
・原材料費・エネルギー価格の高騰
・市場環境や顧客ニーズの変化
・デジタル化・業界構造の変化
・米国関税措置など国際情勢の変化による取引環境の変化
などが挙げられます。
重要なのは、
「変化が起きている」だけでなく、「自社の事業にどう影響しているか」を説明できることです。
採択事例から見た「対象になる事業」の考え方
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業では、
「何を実施するか」という点と、「なぜその取組が必要なのか」が双方重視されます。
以下は、採択事例の傾向を踏まえた申請テーマの考え方の例です。
例① 製造業|原材料価格高騰への対応
外部環境の変化
原材料価格の高騰により、製品原価が上昇し、利益率が低下。
課題
従来の生産体制ではコスト上昇を吸収できないため、収益構造の改善が必要。
取組内容
既存製品の製造工程を見直すため、省力化設備や生産管理システムを導入し、
作業効率向上・歩留まり改善を図る。
ポイント
新製品開発ではなく、
既存事業の収益性向上=事業の深化として整理されている点。
例② サービス業|顧客ニーズの変化への対応
外部環境の変化
顧客の購買行動や利用形態が、対面中心からオンラインへ変化。
課題
従来の対面中心の提供方法では売上確保が難しいため、新たな提供方法が必要。
取組内容
既存サービスをオンライン対応させるため、
予約管理システムやオンライン提供環境を整備。
ポイント
サービス内容は維持したまま、
提供方法を進化させる「事業の発展」として位置づけている点。
例③ 卸売業|米国関税措置による取引環境の変化への対応
外部環境の変化
米国関税措置の影響により、取引先の輸出量が減少。
課題
特定取引先への依存度が高く、売上が不安定な状態になったため、新たな取引先が必要。
取組内容
既存商品を活用した国内向け・第三国向け販路開拓を目的に、
営業資料作成や展示会出展、EC環境の整備を実施。
ポイント
新たな商品開発ではなく、
既存商品の販路拡大による経営基盤の強化として整理されている点。
このように、採択されやすい事業テーマには、
・外部環境の変化が明確
・既存事業との関連性が分かりやすい
・課題 → 取組 → 効果の流れが整理されている
という共通点があります。
申請テーマを検討する際は、
「今の事業をどう強くするのか」という視点で整理することが重要です。
当社の支援実績からの考察ですが、これに加えて、さらに発展的な取組が
記載されている方が採択されやすい傾向を感じます。
BUDDYHOODが支援した採択事例(参考)
パティスリーA社の事例
都内でパティスリーを運営するA社は、原材料費・光熱費・人件費の高騰に加え、
コンビニや大手スーパーによるスイーツ商品の強化が進んだことで、
競争環境の変化に直面していました。
一方で、製造工程の多くが手作業に依存しており労働生産性が低く、
繁忙期は残業が常態化する中で、新商品開発や市場ニーズへの対応に十分な時間を
確保できないことが課題となっていました。
こうした外部環境の変化と経営課題を整理した上で、
当社で本事業の趣旨に沿った申請テーマの設計から計画策定までをサポートしました。
A社はその取組として、生産工程の効率化と品質の安定化を目的に最新設備を導入しました。
これによって、作業負担を軽減しながら最新設備を活かした新商品を提供するという形で
生産性を高めました。
この事例は、外部環境の変化によって顕在化した生産性の課題に対し、
設備導入を通じて既存事業の強化と経営基盤の安定化を図った点が評価され、
採択に至ったものです。
対象経費から考える申請テーマのヒント
申請テーマがイメージしづらい場合は、対象経費から逆算して考えるのが有効です。
対象となる経費の例としては、
・機械装置・設備の導入
・システム・ソフトウェア導入
・外注費(設計、開発、制作等)
・広告宣伝費・販路開拓費
・専門家への委託費
これらはすべて、
外部環境の変化に対応し、既存事業を強化するために必要であることが説明できれば、
申請テーマとして成立します。
申請テーマ検討時のポイントと注意点
テーマ検討で特に意識したいポイントは以下の4点です。
① 外部環境の変化 → 課題 → 取組内容の流れがつながっているか
なぜその取組が必要なのかを、論理的に説明できることが重要です。
② 既存事業との関連性が明確か
「既存の技術・顧客・ノウハウをどう活かすのか」を言語化しましょう。
③ 実現可能性のある計画になっているか
スケジュールや数値が過度に楽観的だと、評価を下げやすくなります。
④ 助成金ありきの内容になっていないか
「やりたいこと」ではなく、
「経営課題を解決するために必要な取り組み」であることが重要です。
まとめ|対象になるかどうかは「考え方」が重要
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は、
特定の業種やテーマが決まっている助成金ではありません。
重要なのは、
・外部環境の変化をどう捉えるか
・既存事業をどう強化・発展させるか
・そのために何が必要なのか
を、制度の考え方に沿って整理できているかどうかです。
テーマ設定の段階で迷う場合は、
対象経費や既存事業の強みから逆算して考えることで、
採択可能性の高い計画に近づけることができます。
投資の必要性とタイミングも重要
「考え方」と同時に、その事業を遂行するために必要な設備が何なのかも考える必要があります。
新しいことをやる計画が書かれているのに、導入済の設備で事足りるようであれば、
助成金申請の因果関係が明確になりません。
また、助成金には審査期間がありますので、
「すぐに投資できない=待てる」投資でなければなりません。
そのタイミングが合うなら非常に有用な助成金です。
BUDDYHOODによる申請支援のご案内
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は、
「自社が対象になるか」「どのテーマで申請すべきか」の判断が、採否を大きく左右します。
BUDDYHOODでは、中小企業診断士を含む経験豊富なコンサルタントが、
本事業の助成金申請を伴走型で支援しています。
・事業環境の変化の整理
・既存事業との関連性の明確化
・申請テーマ・事業計画の方向性設計
・書類審査・面接審査を見据えた実務的アドバイス
など、検討段階から申請まで一貫して対応可能です。
「この内容で申請できるのか確認したい」
「対象になるかだけ専門家に見てほしい」
といった初期相談の段階でも問題ありません。
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お気軽にご相談ください。
BUDDYHOODが、助成金を活用した事業成長を専門家視点でサポートします。

